PR

公務員から民間へ転職して後悔する人・しない人|失うものを4つに分けて元警察官が解説

公務員から民間へ転職して後悔する人・しない人|失うものを4つに分けて元警察官が解説 警察官を辞めたい人へ

「公務員を辞めて民間へ行きたい。でも、辞めてから後悔したらどうしよう」。転職を考え始めた公務員の多くが、一度はこう悩みます。安定した給料、退職手当、共済の保障。手放すものが大きく見えるほど、一歩が重くなります。

ただ、後悔するかどうかは運だけで決まるわけではありません。民間へ出て失うものは、収入・保障・働き方・手続きの4つに分けて数えられます。この4つを辞める前に数えた人は後悔しにくく、数えずに辞めた人ほど「こんなはずではなかった」となりやすい、というのがこの記事の結論です。

元警察官として退職した私の体験と、法令・統計・自治体の公式情報をもとに、公務員から民間へ移る前に確かめておきたいことを順番に整理します。警察官に限らず、市役所や県庁などで働く公務員の方にも当てはまる内容です。

この記事がオススメの人
  • 公務員から民間への転職を考えているが、後悔しないか不安な人
  • 辞めたあとの収入・健康保険・年金がどうなるか知りたい人
  • 辞める前に何を準備すればよいか、順番を知りたい人

この記事の結論

  • 後悔の中身は「収入・保障・働き方・手続き」の4つに分けられる
  • 転職した人の約4割は賃金が増え、約3割は減っている(全転職者の数字)
  • 健康保険・年金・共済には、辞めた日から数える期限がある
  • 後悔しにくい人は、在職中に必要な年収と自分の市場価値を確かめている

辞めるかどうかを1人で決めきれないときは、先にプロと一緒に気持ちと条件を整理しておくと、判断がぶれにくくなります。
辞めて後悔しないか、まずプロと一緒に整理してみる(初回の相談は無料) →
ポジウィルキャリアは、初回の相談(45分)が無料で、その後のコーチングは有料です。

  1. 公務員から民間へ移って後悔する人・しない人の分かれ目
    1. 後悔の中身は4つに分けられる
    2. 転職した人の4割は賃金が増え、3割は減っている
    3. 民間へ出て良くなったと感じる人が多いこと
    4. 私が辞めたことを後悔していないのは、辞める前に数えていたから
  2. 後悔の内訳1 収入|年収・賞与・退職手当
    1. 民間の年収は、業界と職種と年齢で決まる
    2. 賞与と昇給の決まり方が変わる
    3. 途中で辞めるときの退職手当は、勤続年数で大きく変わる
    4. 住居手当・官舎など福利厚生が変わる
  3. 後悔の内訳2 保障|健康保険・年金・共済
    1. 共済の健康保険は、任意継続で最長2年続けられる
    2. 国民健康保険と国民年金は14日以内が目安
    3. 配偶者の扶養に入るという選択
    4. 職場の共済・互助会の保障は、退職でいつ切れるか
  4. 後悔の内訳3 働き方|評価・人間関係・雇用・時間
    1. 成果で評価され、経歴と行き先の組み合わせで差がつく
    2. 人間関係は、異動でリセットされない
    3. 会社の業績しだいで、雇用が揺れる
    4. 残業と休みは、会社しだいで良くも悪くもなる
    5. 失業手当が出ないので、次が決まる前に辞めると焦る
  5. 後悔の内訳4 手続きと時間差の支払い
    1. 住民税は、辞めた翌年にも前年の給料に見合う額が来る
    2. 退職日を月末にするか前日にするかで、その月の保険料の払い先が変わる
    3. 辞めた後の手続きの期限一覧
  6. 後悔しなかった人が、辞める前にやっていたこと
    1. なぜ辞めるのか、何を譲れないかを先に決める
    2. 必要な年収を先に出す
    3. 在職中の資産形成で、必要な年収を下げる
    4. 在職中に、転職市場で自分の値段を確かめる
  7. 民間へ出る前に、公務員のまま移る道と比べる
    1. 他の公務員へ移る
    2. 辞めずに休む・異動を待つ
  8. まとめ|後悔するかどうかは、辞める前に数えたかで決まる

公務員から民間へ移って後悔する人・しない人の分かれ目

最初に、何を失う可能性があるのかを全体で見ておきます。漠然とした不安のままだと、怖さの大きさが測れません。

後悔の中身は4つに分けられる

民間へ移った人の後悔として挙がる声を並べると、給料やボーナスの減少、福利厚生の差、雇用の安定、成果主義のプレッシャー、ワークライフバランスなどが目立ちます(出典:CREX「公務員から民間への転職で後悔する理由7選!失敗しないための対策も解説」、2025年11月更新)。これを整理すると、次の4つに分けられます。

民間へ出て失うものは4つに分けて数える
  • 収入:年収、賞与、退職手当、住居手当や官舎
  • 保障:健康保険、年金、職場の共済や互助会
  • 働き方:評価のされ方、人間関係、会社の業績、残業と休み
  • 手続き:辞めた翌年の住民税、届出の期限

このうち1つでも「辞めたらどうなるか」を答えられない項目があれば、そこが後悔の芽です。この記事では、4つを順番に確かめていきます。

転職した人の4割は賃金が増え、3割は減っている

「民間へ出たら給料が下がる」と思い込んでいる人は多いですが、統計で見ると一方向ではありません。厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、転職した人の賃金が前の職場と比べて「増加」40.8%、「減少」31.0%、「変わらない」25.5%でした(出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」、2026年10月時点)。

転職した人の賃金は前の職場と比べてどう変わったか(令和7年)

これは民間どうしの転職も含めた全転職者の数字で、公務員から民間へ移った人だけを取り出した数字とは違います。それでも、転職すると必ず賃金が下がる、という前提は外して考えてよいことが分かります。増えるか減るかは、どの業界のどの職種へ、何歳で移るかで決まります。

民間へ出て良くなったと感じる人が多いこと

失うものばかりではありません。公務員から民間へ移って良かった理由としては、給料が上がった、人間関係のストレスが減った、成長を実感できる、仕事にやりがいを感じる、働き方の自由度が高まった、専門スキルが身につく、副業ができる、といった声が挙がっています(出典:CREX「公務員から転職して良かった!理由7選と後悔しないための転職先」、2025年11月更新)。

後悔するかどうかは、失うものと得るものを並べて比べたかどうかで変わります。得るものを書き出してみると、自分が何のために辞めたいのかもはっきりします。

私が辞めたことを後悔していないのは、辞める前に数えていたから

私が警察官を辞めたことを後悔していないのは、辞める前に、夫婦でライフプラン表を作って将来の収支を数えていたからです。在職中から資産形成を続けていたので、憂いなく退職できました。

拳銃や手帳を返納するときも、計画的に準備していたので感傷と言えるほどのものはなく、組織のしがらみがなくなる高揚感のほうが大きかったのを覚えています。手続きでつまずいたことも、事前に準備していたおかげでありませんでした。

辞めてよかったこと、逆に後悔していることは、別の記事で正直に書いています。

後悔の内訳1 収入|年収・賞与・退職手当

いちばん分かりやすく、いちばん後悔の声が多いのが収入です。年収そのものと、一時金と、手当の3つに分けて見ていきます。

民間の年収は、業界と職種と年齢で決まる

国税庁の令和7年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円、正社員に限ると559万円でした(出典:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」、2026年10月時点)。

ただし、これは全年齢・全業種をならした数字で、物差しとしては粗いものです。民間の年収は、業界、職種、年齢、会社の規模で大きく変わります。自分の年収と平均を比べるより、行きたい業界・職種の求人票に書かれた年収を何件か並べて、そこと今の年収を比べるほうが、辞めた後の収入を正確に見積もれます。

賞与と昇給の決まり方が変わる

公務員の期末・勤勉手当は、毎年の勧告と条例で決まり、大きく上下することはあまりありません。民間へ移った人の後悔の理由の1つ目に「給料やボーナスが下がった」が挙がっており(出典:CREX「公務員から民間への転職で後悔する理由7選!失敗しないための対策も解説」、2025年11月更新)、賞与が会社の業績や個人の評価で変わる会社では、年によって年収が動きます。

家計を組むときは、毎年同じだけ上がる前提をいったん外し、賞与が少ない年でも暮らせるかで考えておくと安心です。求人票では、賞与が「年2回」とだけ書かれているのか、「昨年実績◯か月分」と書かれているのかも見ておきましょう。

途中で辞めるときの退職手当は、勤続年数で大きく変わる

辞めるときに受け取る退職手当は、おおまかには「退職時の給料月額 × 支給率」で決まります。支給率は、定年で辞めるか定年前に辞めるかといった退職の理由と、勤続年数で大きく変わります。定年前に自分の都合で辞める場合(病気やけがで辞める場合や、早期退職の募集に応じた場合などを除く)、勤続19年以下だと、計算した額からさらに割り引かれ、勤続10年以下は6割、11〜15年は8割、16〜19年は9割になります(出典:e-Gov法令検索「国家公務員退職手当法」第3条第2項、2026年10月時点)。地方公務員の退職手当は、各自治体の条例で定められています。給料月額は階級や職務の級、都道府県や自治体の給料表で変わるため、同じ勤続年数でも人によって額は違います。

私の場合、退職手当の計算上の勤続年数は16年、退職時の階級は巡査部長でした。退職時の給料月額はおよそ33万円、支給率は約12.88(給料月額の約12.9か月分)で、受け取った退職手当はおよそ425万円です。確かに大金ですが、退職後にゆっくり職探しをするには心許ない額だと感じました。

自分の退職手当の目安は、給与明細の給料月額(手当を含まない本俸)に、勤続年数と退職理由に応じた支給率を掛ければ出せます。計算の詳しい手順や、早期退職での割増の有無は、次の記事にまとめています。

住居手当・官舎など福利厚生が変わる

見落としやすいのが、住まいにかかるお金です。民間へ移った人の声として、家賃補助が一切なくなって生活費が上がった、という趣旨の声が紹介されています(出典:CREX「公務員からの転職は後悔する?5chのリアルな声からわかる失敗理由」、2025年11月更新)。

官舎に住んでいる人は、辞めると官舎を出ることになります。今払っている官舎の使用料と、住みたい地域の家賃相場(同じ広さ)を不動産サイトで調べ、その差に12を掛けると、辞めた後に1年で増える住居費の目安が出ます。住居手当をもらっている人も、転職先に同じような手当があるかを求人票で確かめておきましょう。

後悔の内訳2 保障|健康保険・年金・共済

収入の次に後悔の声が多いのが、病気やけがへの備えです。辞めた日から保障に空白を作らないために、健康保険、年金、共済の順に見ていきます。

共済の健康保険は、任意継続で最長2年続けられる

共済の健康保険は、辞めた後も最長2年続けられます。これを任意継続といい、退職の日から20日以内に共済組合へ申し出るのが条件です。退職の前日まで1年以上続けて組合員だった人が対象です(出典:e-Gov法令検索「地方公務員等共済組合法」第144条の2、2026年10月時点)。

掛金は、在職中に職場が負担していた分も含めた額をもとに計算されます(同条第2項)。国民健康保険とどちらが安いかは、住んでいる市区町村と前年の所得で変わるので、両方の金額を出してから選ぶのが確実です。

国民健康保険と国民年金は14日以内が目安

任意継続を選ばない場合は、住所地の市区町村で国民健康保険に入ります。届出は、事実が発生した日から14日以内です(出典:札幌市「国民健康保険の届出」、2026年10月時点)。

年金も、退職して厚生年金に入らなくなったら、国民年金の第1号被保険者への切り替えが必要です。こちらも退職の日から14日以内の手続きが案内されていますが、14日を過ぎても手続きはできます(出典:鹿児島市 よくある質問(国民年金)、2026年10月時点)。配偶者が第3号被保険者になっている場合は、配偶者の届出も必要になります。

配偶者の扶養に入るという選択

国民年金法では、第2号被保険者(会社員や公務員)の配偶者で、主にその収入で生計を維持している人を第3号被保険者としています(出典:e-Gov法令検索「国民年金法」第7条、2026年10月時点)。収入の目安は、年収130万円未満とされるのが一般的です(出典:マネーフォワード クラウド「第3号被保険者とは」、2026年10月確認)。

私は退職後、任意継続でも国民健康保険でもなく、配偶者の扶養に入って国民年金の第3号被保険者になりました。切り替えにかかった実費は、ほぼありません。

ただし、これは配偶者が会社員や公務員として働いていて、扶養に入れる条件を満たす場合に限られる選択です。自分が当てはまるかは、配偶者の勤め先の健康保険の条件で確かめてください。次の勤め先の健康保険にすぐ入る人を除けば、扶養に入れない人は、任意継続か国民健康保険のどちらかを選ぶことになります。

職場の共済・互助会の保障は、退職でいつ切れるか

健康保険とは別に、職場の共済会や互助会の保険に入っている人は多いはずです。こうした保障は、退職で終わるもの、退職後も続けられるもの、条件つきで続けられるものに分かれます。自分の入っている保障がどれに当たるかを、所属の厚生担当に確かめておきましょう。

警察官の例で言うと、警察職員生活協同組合(警生協)の新長期生命80や終身生命共済は、退職後も続けられます。一方で、生命・傷病共済の入院保障や死亡保障は、再任用などで警察に残る場合を除き、退職直後の6月30日までとされています(出典:警生協「退職後に利用可能な共済事業」、2026年10月時点)。

代わりの保障が決まらないまま6月30日を過ぎると、空白の期間ができます。どの保障がどれだけ必要かは、在職中のうちに相談まで済ませておくと安心です。
辞める前に、共済の代わりになる生命保険をFPに無料で相談する →

後悔の内訳3 働き方|評価・人間関係・雇用・時間

収入と保障は数字で見積もれますが、働き方の変化は入ってみないと分からない部分が残ります。それでも、何がつらくなりやすいかを先に知っておけば、職場選びで確かめられます。

成果で評価され、経歴と行き先の組み合わせで差がつく

民間では、成果やノルマで評価される場面が増えます。転職活動でも、公務員としての経験がどう評価されるかは、自分の経歴と、行きたい職種の組み合わせで大きく変わります。

私が転職先として望んでいたのはIT系でした。開発の実務経験も実績もなく、年齢的に将来性での採用も難しかったため、警察官としての経歴は評価されませんでした。転職活動でお断りが続くと、自分が否定されたような感覚になったこともあります。

一方で、交通捜査に長く携わった人は、交通事故の保険関係(損害保険の事故調査の仕事)で実績を評価される、という話を在職中によく聞きました。実際に、退職して保険会社の調査の仕事に就いた先輩も多くいました。警察官の経験が民間で通用しないのではなく、行き先との組み合わせしだいということです。事務職の公務員でも同じで、経験が生きる行き先を選ぶかどうかで評価は変わります。

人間関係は、異動でリセットされない

公務員は数年ごとの異動で職場や上司が変わります。合わない上司がいても、次の異動まで待てば離れられる、という逃げ道がありました。民間では、会社によっては異動がほとんどなく、同じ顔ぶれで長く働くこともあります。民間へ移った人の声では、成果をめぐる同僚との競争も挙がっています(出典:CREX「公務員からの転職は後悔する?5chのリアルな声からわかる失敗理由」、2025年11月更新)。

面接では、配属される部署の人数、平均の勤続年数、異動や転勤があるかを聞いておくと、入ってからの人間関係を想像しやすくなります。

会社の業績しだいで、雇用が揺れる

公務員の身分は、会社の業績に左右されません。民間では、会社の業績が悪くなると賞与が減ったり、事業の縮小で配置が変わったりすることがあります。会社の業績悪化やリストラへの不安を挙げる声もあります(出典:CREX「公務員からの転職は後悔する?5chのリアルな声からわかる失敗理由」、2025年11月更新)。

応募先の安定は、次の項目で確かめられます。

  • 求人票:雇用形態(正社員か、試用期間の有無と長さ)、賞与の実績、退職金制度の有無
  • 会社の公開情報:設立年、従業員数の推移、上場企業なら決算資料の売上と利益の推移
  • 面接:その職種の募集が増員なのか欠員の補充なのか

残業と休みは、会社しだいで良くも悪くもなる

民間へ移って「ワークライフバランスが崩れた」という声がある一方で、「働き方の自由度が高まった」という声もあります(出典:CREX「公務員から転職して良かった!理由7選と後悔しないための転職先」、2025年11月更新)。警察官のように当直や呼び出しがある仕事から移ると、民間のほうが休みは読みやすくなることも多いはずです。

どちらに転ぶかは会社しだいなので、求人票の「月平均の残業時間」「年間休日」「有給休暇の取得率」を確かめ、面接では繁忙期の働き方を聞いておきましょう。警察官と民間の働き方の違いは、次の記事でも比べています。

失業手当が出ないので、次が決まる前に辞めると焦る

常勤の公務員は、原則として雇用保険の対象外です。辞めたときに受け取る退職手当などが、雇用保険の失業給付より手厚いと考えられているためです。雇用保険法でも、国や自治体に雇われる人のうち、こうした条件に当たる人には適用しないと定めています(出典:e-Gov法令検索「雇用保険法」第6条第6号、2026年10月時点)。つまり、辞めても失業手当(求職者給付)は出ません。

代わりに、「失業者の退職手当」という仕組みがあります。すでに受けた退職手当の額が、雇用保険の基本手当に相当する額に満たない場合に、その差の分を退職手当として支給するものです(出典:e-Gov法令検索「国家公務員退職手当法」第10条、2026年10月時点)。地方公務員は、各自治体の退職手当条例で同じ仕組みが定められています。手続きの流れは、次の記事で詳しく書いています。

いずれにしても、辞めてから仕事を探すと、収入のない期間がそのまま家計にのしかかります。次の勤め先を在職中に決めてから辞めるほうが、焦って条件の合わない会社を選ばずに済みます。

後悔の内訳4 手続きと時間差の支払い

辞めた直後は解放感がありますが、お金の請求は時間差でやってきます。知らずに辞めると、翌年になって驚くことになります。

住民税は、辞めた翌年にも前年の給料に見合う額が来る

住民税の所得割は、前年の所得をもとに計算されます(出典:e-Gov法令検索「地方税法」第313条、2026年10月時点)。そのため、辞めて収入が下がった年にも、在職中の給料に見合う住民税が届きます。

私も退職後、前年の所得をもとにした住民税の支払いが時間差で来ました。辞める年は、翌年の住民税の分を貯金から取り分けておくと慌てずに済みます。

退職日を月末にするか前日にするかで、その月の保険料の払い先が変わる

共済の組合員は、退職した日の翌日に組合員の資格を失います。掛金は、資格を取得した月から、資格を失った日が属する月の前月の分までかかります(出典:e-Gov法令検索「地方公務員等共済組合法」第39条第2項・第114条第1項、2026年10月時点)。

たとえば3月31日に辞めると、資格を失うのは4月1日なので、3月分までは共済の掛金です。3月30日に辞めると、資格を失うのは3月31日になり、3月分の共済の掛金はかかりません。その代わり、配偶者の扶養に入る場合などを除き、3月分から国民年金の第1号被保険者として、保険料を自分で納めることになります(出典:e-Gov法令検索「国民年金法」第11条の2・第87条第2項、2026年10月時点)。

次の勤め先に翌月1日から入るなら、月末に辞めれば、共済から次の勤め先の厚生年金へ、月の切れ目なく移れます(出典:e-Gov法令検索「厚生年金保険法」第13条、2026年10月時点)。どちらがよいかは、掛金や国民年金・国民健康保険の額、家族の扶養の状況で変わります。退職日と入社日を決める前に、人事担当と共済組合に確かめておきましょう。

辞めた後の手続きの期限一覧

ここまでの手続きを、期限の順にまとめました。辞めると決めた段階で見返してください。

辞めた後の手続きと期限

辞める前後の手続きを時系列で知りたい人は、退職届の出し方から共済・保険の手続きまでを、次の記事でまとめています。

後悔しなかった人が、辞める前にやっていたこと

ここからは、後悔しにくくするために在職中にできることです。どれも今日から始められます。

なぜ辞めるのか、何を譲れないかを先に決める

転職先を選ぶ前に、なぜ辞めたいのか、次の職場で何を譲れないのかを紙に書き出しておきます。たとえば「家族と過ごす時間を増やしたい」が理由なら、年収が少し下がっても休みが読める会社を選ぶ、という物差しができます。

この物差しがないまま転職活動を始めると、年収の高さや知名度だけで選んでしまい、辞めた理由と同じ不満を次の職場でも抱えやすくなります。

必要な年収を先に出す

次に、転職先に求める最低の年収を出します。私は在職中に、夫婦でライフプラン表を作り、将来の収支を確かめていました。

計算の例を1つ示します(数字は説明のための架空の家計です)。

  • 毎月の生活費:30万円 × 12か月 = 360万円
  • 年に一度の支出(車検・旅行・帰省など):60万円
  • 合計:420万円 = 1年で必要な手取りの額

求人票の年収は、税金と社会保険料を引く前の額面です。手取りで420万円が必要なら、それより高い額面の年収が必要になります。この最低ラインを先に決めておけば、条件を下回る求人に迷わずに済みます。

在職中の資産形成で、必要な年収を下げる

必要な年収は、支出を減らしたり、資産で一部をまかなったりすれば下げられます。私は在職中から、iDeCoとNISA(つみたてNISA)でこつこつ資産形成を続け、保険の見直しで月約15,000円(年間18万円)の固定費も削りました。

在職中の資産形成と生活費の圧縮で「必要な年収のハードル」が下がり、結果として転職のハードルも下がりました。年収が下がる転職でも暮らせる状態を作っておくことが、後悔しないための一番の備えだと考えています。

在職中に、転職市場で自分の値段を確かめる

最後に、自分の経歴が民間でどう評価されるかを、辞める前に確かめておきます。先ほどのとおり、評価は経歴と行き先の組み合わせで決まり、それは自分だけでは判断がつきません。私も、IT系を志望して評価されなかったことで、そのことを思い知りました。

私は辞める半年前に申し出て、年次休暇を消化してから退職しました。辞めると決めてから実際に辞めるまでには、思ったより時間がかかります。自分の市場価値の確認は、辞める時期を決める前に始めておくと余裕があります。

転職するかどうかを決める前の段階から相談できるサービスなら、在職中でも気軽に使えます。
自分の経歴がどこで通用するか、転職のプロに相談してみる →

転職で失敗しやすい人の特徴と、後悔しないための考え方は、次の記事でも詳しく書いています。

民間へ出る前に、公務員のまま移る道と比べる

民間へ出る以外の出口も、並べて比べておきましょう。

他の公務員へ移る

市役所や県庁、国の機関など、他の公務員へ移る道もあります。条件を満たせば、退職手当の勤続期間を通算できる場合があります。試験のルートや通算の仕組みは、次の記事にまとめています。

辞めずに休む・異動を待つ

心や体が限界に近いときは、辞めるかどうかを今決めず、休職や異動で仕切り直す選択もあります。判断に迷ったときは、次の2つの記事を参考にしてください。

まとめ|後悔するかどうかは、辞める前に数えたかで決まる

公務員から民間へ移って後悔するかどうかは、辞める前に「失うもの」を数えたかどうかで大きく変わります。

  • 収入:平均ではなく、行き先の求人票の年収と比べる。退職手当は給料月額 × 支給率で目安を出す
  • 保障:任意継続は20日以内、国保と国民年金は14日以内が目安。共済の保障が終わる日を確かめる
  • 働き方:評価は経歴と行き先の組み合わせで決まる。求人票と面接で残業・休み・安定を確かめる
  • 手続き:翌年の住民税を取り分け、退職日と入社日を人事に確かめる

今日できる一歩は、ライフプラン表で必要な年収を出すことと、自分の経歴がどこで通用するかを確かめることの2つです。どちらも、辞める前だからこそ落ち着いてできる準備です。

コメント

まずは無料相談!おすすめキャリアサービス ポジウィルキャリア きづく。転職相談
タイトルとURLをコピーしました