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警察官を辞めた理由|40代で退職した元警察官の体験談

働き方・キャリア

「警察官を辞めたい」と思ったことはありませんか。

警察官という仕事は社会的にも安定した職業であり、多くの人が「辞めるのはもったいない」「定年まで勤めるべきだ」と言います。実際、私自身もそう思いながら働いていました。

しかし私は、約20年間警察官として勤務したあと、43歳で退職するという決断をしました。

警察官として働く中で感じたやりがいも確かにありましたが、同時に家族との生活、働き方、そして組織への不信感など、さまざまな葛藤を抱えるようになりました。

特に結婚して子どもが生まれてからは、警察官という仕事が家族に与える負担の大きさを強く感じるようになります。そしてある出来事をきっかけに、「このまま定年まで働き続けるべきなのか」と真剣に考えるようになりました。

この記事では、私が警察官を辞めた理由と、退職を決意するまでの経緯、そして退職後の生活について正直に書いていきます。

もし今、

  • 「警察官を辞めたい」と悩んでいる
  • 警察官の退職理由を知りたい
  • 警察官から転職できるのか不安

そんな思いを抱えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

警察官になるまでの経緯

私は最初から警察官を目指していたわけではありません。
もともとは民間企業でエンジニアとして働いていました。

私の父は市役所に勤務する公務員で、家庭環境の影響もあり、私自身も学生の頃から漠然と「将来は公務員になりたい」と考えていました。しかし、学生時代の成績は決して良いとは言えず、大学卒業時の公務員試験では採用を勝ち取ることができませんでした。

そのため、いったん民間企業に就職し、そこで働きながら転職という形で公務員を目指そうと考えていました。エンジニアとして働き始めて2年目の頃、親から「警察官の採用試験を受けてみないか」と勧められたことが転機になります。

当時の私は、翌年に県庁の採用試験を受けるつもりでいました。そのため、警察官の採用試験については
「とりあえず受けるだけ受けてみよう。合格しても行くかどうかは分からない」
という軽い気持ちで受験しました。

結果として、警察官採用試験には合格しました。

ただ、正直なところ当時の私は警察という組織にあまり良い印象を持っていませんでした。体育会系の厳しい職場というイメージがあり、肉体的にも精神的にもきつい仕事、パワハラが多いのではないかという先入観もありました。

それでも、警察官も公務員であり、安定した職業であることは大きな魅力でした。
警察官になるか、それとも別の公務員試験を受け直すか――。

しばらく悩んだ末、私は「一度警察官として働いてみよう」と決断しました。

こうして私は、民間企業のエンジニアから警察官へと転職する形で警察組織に入り、そこから約20年にわたる警察官としてのキャリアが始まることになります。

警察官として働く中で感じた違和感

警察官として働き始めた当初は、やはり想像していた通りの部分も多くありました。
体育会系の組織文化や上下関係の厳しさ、そして精神論が重視される職場の雰囲気など、民間企業で働いていた頃とは大きく異なる環境に戸惑うことも少なくありませんでした。

ただ、警察という組織に対して最初からある程度の覚悟をして入ったこともあり、多少の困難については「こういうものだろう」と受け入れながら働いていました。実際、警察官の仕事には社会を守るというやりがいもあり、仕事そのものに大きな不満を感じていたわけではありません。

しかし、年月が経つにつれて、少しずつ違和感を覚える場面も増えていきました。

警察官という仕事は、一般的な会社員とは働き方が大きく異なります。
夜勤や休日勤務は珍しくありませんし、急な呼び出しで職場に戻らなければならないこともあります。勤務時間が不規則になることも多く、仕事と私生活の境界線が曖昧になりがちな職業でもあります。

若い頃はそれでも大きな問題には感じていませんでした。
体力もあり、仕事中心の生活でもなんとかやっていくことができたからです。

しかし、結婚して子どもが生まれてから、警察官という仕事の重さを改めて実感するようになりました。

結婚と子育てで気づいた警察官という仕事の現実

結婚して家庭を持つようになると、警察官という仕事が家族に与える影響の大きさを強く感じるようになりました。

警察官は、休日であっても事件や事故があれば呼び出されることがあります。
家族で出かけているときでも、一本の電話で職場に向かわなければならないこともありました。

また、夜勤や休日勤務も多く、生活リズムが安定しないことも珍しくありません。
さらに、配置換えによっては単身赴任になる可能性もあります。

私の家庭では、妻も民間企業で働いており、妻の仕事も夜勤や休日出勤がある職業でした。
そのため、子どもが生まれてからは、夫婦ともに時間に追われる生活になっていきました。

朝は7時には子どもを保育園に預け、夕方には迎えに行き、帰宅後は晩ご飯の準備、子どものお風呂、そして寝かしつけ。
毎日がその繰り返しで、夫婦でゆっくり話をする時間さえほとんどありませんでした。

当時は「子どもがもう少し大きくなるまでの辛抱だ」と考えていました。
しかし、もし自分が単身赴任になった場合、この生活は成り立たなくなるのではないかという不安も感じていました。

妻一人で仕事と子育てをすべて担うことは、現実的にはかなり厳しいからです。

この頃から、少しずつ「この働き方を定年まで続けることができるのだろうか」と考えるようになっていきました。

留置場勤務での出来事と適応障害

警察官として働く中で、私自身の考え方が大きく変わる出来事がありました。

当時、私は留置場で勤務していました。
そこで上司との関係の中で強いストレスを感じる出来事があり、最終的には心身のバランスを崩してしまいました。医療機関を受診した結果、適応障害と診断され、休職することになります。

それまでの私は、「多少きつくても警察官という仕事はこういうものだ」と思いながら働いていました。
そのため、休職を選択したときも、自分ではそれほど深刻に捉えていませんでした。

「一度休んでしっかり回復すれば、また復帰して働けばいい」

その程度の気持ちで考えていました。

しかし実際には、自分が思っていた以上に心には大きな負担がかかっていたようでした。

パワハラ調査の結果と組織への不信感

休職期間が終わり、職場復帰に向けた準備を進めていた頃、署長と副署長から呼び出されました。
内容は、私が受けていたと感じていたパワハラについての調査結果についてでした。

結論は、
「調査を行ったが、パワハラは確認できなかった」
というものでした。

実は、調査の過程については同僚からある程度話を聞いていたため、どのような聞き取りが行われていたのかは把握していました。

そのため、この結果を聞いたときに感じたのは、怒りというよりも強い落胆でした。

今さら、調査の結果そのものについて議論するつもりはありません。
ただ私にとっては、「パワハラがあったかどうか」という問題以上に、自分の感じていた苦しさが組織の中で理解されなかったことが大きなショックでした。

この出来事をきっかけに、私の中で職場への信頼感は大きく揺らぐことになります。

妻の言葉が退職を考えるきっかけになった

休職している頃、妻からよく言われていた言葉があります。

「愛せない職場に、あと20年以上いるつもりなの?」

それまでの私は、警察官という仕事を辞めることは現実的ではないと考えていました。
警察官は専門職であり、民間企業の経験がほとんどない状態で転職することは難しいと思っていたからです。

また、公務員は定年まで勤め、退職金を受け取って老後を過ごすというのが一般的な考え方でもあります。
私自身も、以前はそれが当たり前だと思っていました。

しかし、職場に対する不信感が生まれたことで、その考え方は大きく変わりました。

「このまま定年まで働き続けるべきなのか」

そう真剣に考えるようになったのです。

退職を決意できた理由

警察官を辞めるという決断は、簡単なものではありませんでした。

在職中の人からすれば、警察官や公務員を辞めることは人生が大きく変わる出来事です。
場合によっては、「安定を捨てる」という意味で、とても勇気のいる決断だと感じる人も多いと思います。

私自身も、以前はそのように考えていました。

ただ、私たち夫婦は退職を決断する前に、何度も話し合いを重ねました。
そして家計の状況を見直し、退職後の生活についてもシミュレーションを行いました。

ある程度の貯蓄があり、家計を見直せばすぐに生活が立ち行かなくなる状況ではないことも確認できました。

その結果、私は「このまま無理をして働き続けるよりも、一度立ち止まって新しい道を考えよう」と決断することができました。

こうして私は、約20年間勤めた警察官という仕事を43歳で退職することになります。

退職前に準備していたこと

警察官を辞めると決めたあと、私たち夫婦が最初に行ったのは生活設計の見直しでした。

公務員を辞めるということは、安定した収入を手放すということでもあります。そのため、感情だけで決断するのではなく、まずは現実的に生活していけるのかを冷静に確認する必要がありました。

具体的には、夫婦でライフプラン表を作成し、将来の収入や支出をシミュレーションしました。住宅費や教育費、日々の生活費などを改めて整理し、退職後の家計がどのようになるのかを一つひとつ確認していきました。

また、以前から家計の見直しにも取り組んでいました。
例えば、保険の見直しを行ったり、携帯電話を格安SIMに変更したりと、固定費の削減を進めていました。こうした積み重ねによって、生活費をある程度コントロールできる状態にしていました。

さらに、資産形成の一環として投資も行っていたため、退職後すぐに生活が立ち行かなくなる状況ではないことも確認できました。

こうして、経済面の不安をできるだけ小さくした上で、改めて「本当に退職するのか」を夫婦で何度も話し合いました。

結果として、私が警察官を辞めるという決断について、妻も強く後押ししてくれました。

警察官を辞めて後悔はあるのか

結論から言うと、今のところ警察官を辞めたことを後悔したことは一度もありません。

退職後、私は人生で初めてハローワークに行きました。
それまで公務員として働いていたため、こうした制度を利用する機会がなかったからです。

公務員の場合、一般の会社員とは違い失業手当はありません。しかし、ハローワークを通じて職業訓練を無償で受講することができました。

私はその制度を利用して、WebマーケティングやWeb制作などの分野について学ぶ機会を得ました。警察官として働いていた頃には想像もしなかった分野でしたが、新しいことを学ぶ時間はとても刺激的でした。

現在は、自分がどのような仕事ができるのか、どのスキルを伸ばしていくべきなのかを模索している段階です。

もちろん、将来に対する不安がまったくないわけではありません。しかし、警察官として働いていた頃と比べると、自分で人生を選んでいるという実感があります。

また、警察官時代は勤務の制約も多く、家族と過ごす時間を自由に作ることが難しい生活でした。今は家族と旅行に行ったり、子どもと過ごす時間を大切にしたりと、これまでできなかったことを少しずつ楽しんでいます。

これからの人生で「絶対に後悔しない」と断言することはできません。
ただ、自分で考え、悩み、選択して進んでいく今の生き方には、どこかワクワクする気持ちもあります。

警察官を辞めたいと悩んでいる人へ

もし今、「警察官を辞めたい」と悩んでいる人がいるなら、まずは一人で抱え込まず、家族や信頼できる人と話をしてみてください。

警察官という仕事は社会的にも安定した職業であり、辞めることに不安を感じるのは当然だと思います。私自身も、退職するまでは「警察官が未経験の業界に転職できるのだろうか」と強い不安を感じていました。

しかし、実際に退職を考える過程で気づいたのは、働き方や人生の選択肢は一つではないということでした。

もちろん、警察官として働き続けることが最善の選択になる人もいます。一方で、環境を変えることで新しい道が開ける人もいます。

大切なのは、「周囲がどう思うか」ではなく、自分や家族にとってどのような生き方が良いのかを考えることではないでしょうか。

私の体験が、同じように悩んでいる方にとって、少しでも参考になれば嬉しく思います。

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