2025年11月10日の米国市場と、翌11日の日本市場の動きをまとめます。米国では政府機関の閉鎖が解除に向かうとの期待が高まり、テクノロジー株を中心に主要株価指数が大幅反発しました。日本市場もその流れを引き継ぎ、ハイテク・半導体関連株を中心に買いが集まりました。
目次
米国市場の動き(2025年11月10日 終値, ET)
| 指数 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| NYダウ | 47,368.63 | +381.53 | +0.81% |
| S&P500 | 6,832.43 | +103.63 | +1.54% |
| ナスダック総合 | 23,527.17 | +522.63 | +2.27% |
この日は米連邦政府機関の閉鎖が解除に向かうとの報道を受けて、市場全体がリスクオンムードに包まれました。長期化していた政府閉鎖がようやく収束に向かうとの観測が投資家心理を支え、VIX(恐怖指数)も低下。短期的なリスク回避姿勢が後退しました。
- AI・半導体関連の買い戻し: エヌビディア(NVDA)が+5.79%と急伸し、テクノロジー株全体の上昇を主導。
- 主要ハイテク株の上昇: マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、シスコ(CSCO)、キャタピラー(CAT)が堅調。
- セクター間の動き: 一方でプロクター&ギャンブル(PG)、ユナイテッドヘルス(UNH)などディフェンシブ銘柄は軟調。
まとめ: 政府閉鎖解除への期待とAI関連株の上昇が市場全体を押し上げ、主要3指数はいずれも大幅上昇。投資家心理は明るさを取り戻し、リスクオンに傾きました。
日本市場の動き(2025年11月11日 10:56, JST)
| 指数 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 51,167.50円 | +396.48円 | +0.50% |
| TOPIX | 3326.82円 | +9.14円 | +0.27% |
| 日経225先物 | 51,220円 | +170円 | +0.33% |
東京市場は寄り付きから上昇し、米国市場の好調な流れを引き継ぎました。半導体やハイテク株を中心に買いが優勢。一方で先物市場では調整的な売りも入り、全体としては上昇基調の中に様子見ムードが混在する展開となりました。
- 主導セクター: 半導体・輸出関連株が上昇。
- 投資家心理: 米政府閉鎖解除期待と円安が追い風。
- 注目材料: ソフトバンクグループの決算発表を控えた思惑買いが見られた。
まとめ: 日経平均は3営業日ぶりに反発。米国株高と為替の円安基調を背景に投資家心理が改善。ハイテク・外需株を中心に堅調に推移しました。
本日の主なイベント・経済指標(2025年11月11日, JST)
- 08:50 日本・国際収支(経常収支・貿易収支)発表
- 08:30 豪州・ウエストパック消費者信頼感指数
- 09:01 英国・BRC小売売上高調査
- 09:30 豪州・NAB企業景況感指数
- 10:30 日本・30年物国債入札
- 14:00 日本・景気ウォッチャー調査
- 16:00 英国・失業率/失業保険申請件数
- 19:00 ユーロ圏・GDP改定値/貿易収支
- 22:30 米国・小売売上高/卸売物価指数(PPI)
また、国内では住友不動産・ソニーグループ・ソフトバンクグループなど注目企業の決算発表が予定されており、とくにソフトバンクGの業績内容には市場の関心が集まっています。加えて国際収支や景気ウォッチャー調査の結果が経済判断に影響する可能性があります。
米国では連邦予算案の採決を控えており、その行方次第で為替や株式市場が大きく動く可能性があります。ドル円相場の推移が今後の日本株の方向感を左右しそうです。
筆者コメント:勢いは一息、焦らず「Just Keep Buying」
米国政府閉鎖解除の期待でリスクオンが戻りつつありますが、筆者の印象としては「勢いが一息ついた自然な調整局面」です。SNS上では「調整入り」を警戒する声も見られますが、長期投資家がここで慌ててポジションを動かす必要はありません。
特にインデックス投資家にとっては、こうした局面こそ淡々と積立を継続(Just Keep Buying)することが大切です。短期の値動きに過敏にならず、長期のリターンを見据えてブレない投資姿勢を保ちましょう。
相場の過熱が一服した今は、リスクを過度に取る必要もなければ悲観する必要もありません。ニュースやSNSの見出しよりも、自分の資産計画に目を向けて冷静に行動することが重要です。

