米国株市場がここ数か月軟調な動きを見せており、特にS&P500や全世界株の投資信託に投資している方は、不安を感じているかもしれません。「このまま下がり続けるのでは?」「一度売却した方がいいのでは?」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、過去のデータを見れば、一時的な下落に過剰反応する必要はありません。本記事では、S&P500の過去の下落頻度や長期投資の勝率をデータで検証し、冷静な投資判断をするためのポイントを解説します。

ブログ主はここ最近の下落相場で、直近の最高値から新車アルファード1台分以上の損失を出しています(泣)
- S&P500や全世界株の投資信託に投資している人
- ここ数か月の米国市場の下落に不安を感じている人
- 長期投資のメリットをデータで理解し、安心して投資を続けたい人
目次
はじめに:米国株の調整と投資家の不安

2025年に入り、米国株式市場は調整局面に入っています。特に、直近のデータ(記事執筆時2025年3月18日時点)を見ると、
- S&P500:2025年2月19日の 6147.43ドル から 5675.12ドル(約7.7%の下落)
- ダウ平均:2024年12月4日の 45071.76ドル から 41841.63ドル(約7.2%の下落)
- ナスダック:2024年12月16日の 20204.581ドル から 17008.664ドル(約15.8%の下落)
- ドル円為替:2025年1月6日の 158.87円 から 149.51円(円高傾向)
と、米国株全体で調整が進んでいます。この下落によって NISAやインデックスファンドに投資している人の中には、含み損を抱え不安に感じている人 も多いでしょう。
「今すぐ売却すべきなのか?」と悩んでしまうかもしれません。しかし、歴史的データを見れば、市場の調整は決して珍しいものではなく、長期的には回復する可能性が高い ことがわかります。
この記事では、
- S&P500の過去の下落頻度とその影響
- 素人が市場のタイミングを測ることが無意味な理由
- 長期投資の圧倒的な優位性
について解説します。
S&P500の下落はどのくらいの頻度で発生するのか?

過去のデータを基に、S&P500の下落頻度と回復期間をまとめました。
下落率 | 発生頻度 | 平均下落幅 | 次の段階への進行確率 |
---|---|---|---|
5%以上 | 年3.4回(約14週に1回) | 10.8% | 31% |
10%以上 | 年1.1回(毎年) | 19.4% | 46% |
15%以上 | 2年に1回 | 27.8% | 57% |
20%以上 | 3年に1回 | 35.2% | – |
1. 小幅な下落の頻度
- 5%の下落:市場調整として年間数回発生する一般的な現象。
- 10%の下落(調整局面):平均して約 11カ月に1回 の頻度で発生。
2. 中程度~大幅な下落の頻度
- 15%の下落:過去の弱気相場では頻繁に観測。
- 20%以上の下落(弱気相場):
- 1929年〜2021年の間に26回発生
- 平均継続期間289日(約9.6カ月)
- 平均下落率35.62%
歴史的データを見ると、市場の下落は定期的に発生するもの であり、「今起きていることが特別なわけではない」ということが分かります。

下落はよくあることです。周囲の雑音にまどわされて売却などしないようにしましょう。
過去の大暴落と回復のパターン

下落が発生すると、投資家は「このまま株価が戻らないのでは?」という不安を抱きがちです。しかし、歴史的に見ると、S&P500は過去のすべての暴落から回復し、最終的に新高値を更新してきた という事実があります。
主要な歴史的下落と回復データ
イベント | 下落率 | 期間 | 回復期間 |
---|---|---|---|
リーマンショック(2007-2009年) | -56.8% | 1年6カ月 | 約4年1カ月 |
コロナショック(2020年) | -33.9% | 1カ月 | 約5カ月 |
石油危機(1973-1974年) | -48.2% | 約2年 | 約5年9カ月 |
ITバブル崩壊(2000-2002年) | -49.1% | 約2年 | 約4年8カ月 |
これらのデータからも分かるように、株式市場は下落後に必ず回復している のです。

人口が増えて経済活動が活発になる限り株式市場が崩壊することはないと思います。
投資のタイミングを測るのは無意味!素人がやりがちな失敗

初心者投資家が陥りがちなミスの一つが、「市場のタイミングを測ろうとすること」です。
なぜタイミング投資は失敗しやすいのか?
- プロでも正確な予測は不可能
- ウォール街のファンドマネージャーでさえ、市場の動きを正確に予測することはできません。
- 売った後に市場が急回復するリスク
- 過去のデータでは、急落後は短期間で急上昇することが多い。
- 売却後に株価が上がり、高値で買い戻すハメになるケースが多発。
- 最も重要なのは「市場に居続けること」
- 株式市場では 「最も上昇する数日間」を逃すとリターンが大きく損なわれる ことが統計的に証明されている。
- 短期の変動を気にせず、長期で持ち続けることが成功へのカギ。

「安く買って高く売る」これは未来を見通すことができない限り不可能です。たまたま成功することはあるかもしれませんが、できるという人はほとんどの場合、詐欺師ですね。
長期投資の勝率は圧倒的に高い!

S&P500への投資は、投資期間が長くなるほど安定したリターンが得られる 傾向にあります。
主要投資期間別のパフォーマンス(2025年3月時点)
期間 | 年率リターン | 累積リターン | 最高/最低(過去30年) |
1年 | 23.31% | 23.31% | +28%/-19% |
5年 | 14.32% | 101.6% | 112.9%/-32% |
10年 | 12.99% | 182.9% | 250%/-50% |
15年 | 12.63% | 400%+ | 550%/-30% |
長期投資の重要なポイント
- 配当再投資効果:配当を再投資することで、リターンが年間2〜3%向上。
- インフレの影響:実質リターンは名目リターンから年2〜3%を差し引く必要あり。
- 市場サイクル:2000年のITバブル崩壊後でも、長期保有で損失を回復。
- 複利効果:15年投資の場合、初期投資額が約5倍になる計算。リスクが小さくなり、勝率が高まる ことが分かります。

個人投資家は下落を恐れず、受け入れた上で淡々と積み立てていきましょう。それによって未来で株価の上昇という果実を享受できるのです。
まとめ:NISAの目的を忘れずに、長期投資を続けよう

最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。
- 市場の下落は定期的に発生するもので、珍しいことではない。
- 過去の暴落でもS&P500は必ず回復し、新高値を更新してきた。
- 市場のタイミングを測るのは不可能で、売買を繰り返すと逆に損失を招く。
- 長期投資を続けることで、勝率はほぼ100%に近づく。
投資は、現代社会で資産を増やすための重要な手段の一つですが、最終的な判断は自己責任 であることも忘れずにしましょう。過去のデータは将来を保証するものではありませんが、歴史を参考にして冷静な投資判断を心がけることが大切です。
NISAは 長期の資産形成のための制度 です。短期の値動きに惑わされず、冷静に 「市場に居続ける」 ことを意識しましょう!

Just keep buying!(ただ買い続けるのだ!)
読者への質問

あなたは今回の市場環境をどう感じていますか? 長期投資を続けられそうですか? ぜひコメント欄で意見を聞かせてください!
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